こんにちは!ちくわと申します。
本記事は、2022年の#LegalAC *1の1つとして書きました。
数年前の#LegalAC において経営アニメ法友会なるものが設立されました。以来、経営アニメ法友会にとっては、#LegalAC の場が年に一度の活動報告*2の場になっております。
そこで、今回もどのような活動報告としようかと考えるために、本家の経営法友会HPを見ていたところ、「ブックナビゲーション[第1回]本とのつきあい方と企業法務ガイド本」なる月例会を見つけました*3。
乗っかろう。
その感情だけが沸き上がりました*4。
冗談はさておき、これまで3回ほど、法務に役立つかもしれないアニメ10選という記事を上げてきました*5。そろそろこいつもネタ切れだろう…と大多数の人々は考えているのでしょうが、まだまだネタは尽きません!アニメの無限の可能性を舐めてはいけない!
そういうわけで、今年も懲りずに私の独断と偏見しかない法務に役立つかもしれないアニメ10選を選定しました。ただし、今年は一つの明確な切り口を持とうと考え、法務部門で働き始めた頃から今までの自分自身の経験を振り返り*6、配属時から順々に遭遇するであろう悩みについてアニメを参考に解決方法を考えるという実践的なコンセプトでアニメを紹介します。
それでは、以下10選です。
1.巨人の星(1968年‐1971年)
・いわずと知れた野球アニメの巨星!
・父である星一徹より幼いころから野球の英才教育を受けてきた星飛雄馬。花形満や左門豊作らライバルと切磋琢磨する中、飛雄馬は巨人の星となるべく一歩一歩その道を進んでいく。
・本アニメのもっとも有名なエピソードといえば、第2話「悪魔のギブス」に登場する大リーグ養成ギブスでしょう。本話では、大リーグ養成ギブスの存在が周囲にバレてしまったことを発端に、飛雄馬が父一徹に「父ちゃんは野球馬鹿だ!」「俺は父ちゃんの犠牲になるのはゴメンだ!」と感情を表すのが印象的です。
・新卒であろうと中途であろうと、法務部門に初めて所属することになった際には不安感があると思います。私もありました。その不安感を解消するためにはどうしたら良いのか…どこまで準備したら良いのか…と頭をよぎったこともありました。ですが、現実的には、ゆっくり焦らず一歩一歩で良いと思います。身の丈に合わないトレーニングは不要と思います。数年の経験だけですが、最初だけロケットスタートで勉強したものの、その後続かずという人も見てきました。まずは、いろいろなことを言う人がいますが、焦らずに目の前の仕事を一つ一つという軸を忘れてはいけないと思います*7。
2.戦闘メカ ザブングル(1982年)
・主人公が作中で機体を乗り換えるロボットアニメの起源となる作品
・舞台は荒廃した惑星ゾラ。その地で、両親の仇であるティンプ・シャローンを追う主人公のジロン・アモス。目的を果たすため、ウォーカーマシン「ザブングル」を盗もうと考えたジロンであったが、その目論見は失敗し、その持ち主であるエルチ・カーゴやラグ・ウラロと行動を共にするようになる。そうするうちに、この星の真実を知っていく…。
・本作品の特徴としては、ロボットをハンドルで操縦することでしょう。ロボットとシンクロするわけではなく、ハンドル・アクセル・クラッチで動かす。動力もガソリン。渋い…。
・入社すると、何だこの仕組みは…しきたりは…という疑問を抱くこともあるかもしれません。一体何年前に作った規定なんだ…決裁の承認フローに一体何人の人が入ってんだよコレ…ITインフラがなんでないんだ…等々の疑問に感じることは出てきます。私は未だにたくさんあります。が、とりあえずは、なぜこのような古いものが残存しているのかについては一度立ち止まって観察してみるのが良いと思います。
と、ここまではよく聞く話ですが、直感的に何だこれ…と感じることは、今となっては何の意味もなしていないことも相当数あるというのが個人的な経験です。残存している理由も、何らかの意味を後付けで見出して正当化しているものの、実際は社内調整や面倒ごとを拾いたくないだけで見て見ぬふりをしていることも多々あります。入社したてでそこを変えるのは極めて難しいことなので*8、まずは、そういった事象に対して組織と他の人がどういうスタンスをとっているかを観察してみましょう。本当に相談できる人は誰なのかもわかってきます。組織とそこで働く人を観察した後に、じゃあ自分はどうするか、を考えていけば十分と思います。
3.シティハンター(1987年‐1988年)
・現在も続編が作成される伝説的アニメ!
・新宿を拠点に活動する凄腕のスイーパー冴羽獠とそのパートナーである槇村香のコンビは、ボディーガードや探偵業など次々とやってくる難課題を解決していく…。
・本作品といえば、圧倒的なお約束感でしょう。依頼人の美女。槇村香の100tハンマー。ラストシーンに差し掛かった際に流れ出すGet Wild。実家のような安心感。
・焦らずに一歩一歩、組織と他の人をじっくり観察することを覚えたら、そろそろ法務のセオリーを身に着けていく段階になってくる気がします。個人的な経験で行くと、ここが結構ポイントで、単なる契約書の雛形差分とり屋になるか、もう少し抽象的な暗黙知をしっかりと身に着けることができるか、は大きく差がついてくるところかなと思います。OJTをしっかりと受けられる環境であれば良いですが*9、そうでないならばどうするかは一つのターニングポイントでしょう。私の場合は外に活路を求めました。今であれば、スキルアップのための企業法務のセオリー(瀧川英雄、第一法規)などの暗黙知を身に着けるタイプの書籍を活用しながら、いろいろと身に着けるツールはあるように思います。試行錯誤ですね。
4.機動戦士Vガンダム(1993年‐1994年)
・私が幼少期に始めて観たガンダム
・アムロやシャアがいた頃から60年以上も経過した宇宙世紀を舞台に、主人公ウッソを中心に、ザンスカール帝国と戦う民間組織であるリガミリティアの様子が描かれる。
・本作品といえば、シュラク隊やオデロ、ゴメス艦長や偽ジン・ジャハナムまで、主人公ウッソと共に戦っていく人々が皆その命を散らしていくストーリーが印象的ではあります。その中でもウッソは一人になっても戦っていくというのは、本来大人が担うべき責任を子供に担わせる姿が描き出されており、ストーリー全般を通して重い空気の漂う作品とはなっています。
・法務の暗黙知を教えてくれた優しい先輩がいつまでもずっといてくれれば良いのですが、この雇用の流動化している法務界隈では中々そうもいきません。きっちり法務のセオリー的なノウハウも身に着けたな!と思っていたところ、実は先輩に頼っていただけで、先輩がいなくなったら何もできない状況だったとなっては結構しんどいです*10。ですので、日頃から、少しずつでも、自分一人でやっていくイメージをもって先輩との距離感を考えるのが良いと思います。
5.夢のクレヨン王国(1997年‐1999年)
・ニチアサ8時30分枠アニメの傑作
・クレヨン王国のシルバー王女は、石にされてしまった自分の両親を助けるために、そして、かつて封印されたにも関わらず蘇った死神を倒すために、オンドリのアラエッサ、ブタのストンストン達をお供に旅に出る。
・本作品のOP曲である「ン・パカマーチ」(作詞:森林檎、作曲:有澤孝紀)は非常に頭に残ります。メロデイーが非常にキャッチーなものになっておりますし、「問題はどこか当ててみよう」という部分を中心としてたメロは、ふとした時に鼻歌で歌ってしまいたい中毒性のある部分です。
・一人でも自走していくためには、やはり、目の前の仕事における「問題」について言語化できるようになるというのが重要と思います。よく言われる言葉ですと、「質問には質問で返せ」というものがあります。実際にすべての案件でこれをやっていると回らなくなりますが、その意味をもう少し考えると、①質問者は問題を正確に捉えていない可能性があるから問題を正確に捉える助けを行う(プラスの面)、②質問者が重要な前提事実を意図的に隠した上でYesの言質を取りに来た場合に身を守る(マイナスの面)*11、の2つに関して、質問者が設定する「問題」については対処していく必要があるように思います。
6.星のカービィ(2001年‐2003年)
・実はブラックジョークが多彩な社会派アニメ
・星の戦士として生まれたカービィは、不時着したプププランドにて、フームやブン、メタナイト、そしてホーリーナイトメア社に魔獣を発注するデデデ大王と関わり合いながら、星の戦士としての力を身に着けていく。そんな物語。
・本作品の最も印象深い回としては、第72話「ワドルディ売ります」でしょう。ナイトメア社への借金で首が回らなくなったデデデ大王は、自身の城で雇っていたワドルディたちをすべて解雇し、プププビレッジの住人に売る政策をとります。売る方法としても、ワドルディを自動販売機に入れて売るというもの…。ですが、さすがのワドルディ達は有能でプププビレッジの各々の場所で活躍し、一方でデデデ大王は…というのがストーリーの根幹になります。
・この辺りまでくると、そろそろ仕事の視点を切り替える時期かもしれません。どうしても最初の頃は、法務特有のスキル、具体的には、法的な知識や契約審査のスキルといったものにばかり目が活きがちです。私もそうでした。
ですが、どこかで、事業を見る目を養った方が良いと思います。例えば、自社のバリューチェーンはどうなっているのか、調達・製造・販売・保守の各プロセスはどの部署がどのような機能を担っており今何を行おうとしているのか、自分は各プロセスにバランスよく関われているのか、など、法的な目線ではなく、事業の目線で自分を位置づけていくことも意識していく時期になってくるように思います*12。ただし、ここは難しいところで、異なるビジネスモデルであれば、事業を見る方法というのも変わってくるので、試行錯誤しながらやっていくフェーズかもしれません。
7.ばらかもん(2014年)
・ハートフルアニメのおすすめ作品
・主人公の書道家である半田清舟は、とある受賞パーティにて書道家の重鎮を殴った罰として、長崎県の五島列島での生活を通して自分を見つめなおすことを求められる。その地で、半田は、琴石なるを始めとした地元の人々と触れ合うことになり、それまで見つめられなかった自分自身を発見し、そして新たな人生の目標を見つけていく。
・本作品が心を打つのは、ストーリー概要そのものですが、いろんな人との出会いで人は変わっていくというところです。書道の世界に籠っていた主人公も五島列島の人々と触れ合うことで本当に変わっていきます。活き活きとしてきます。ほんとに良いアニメ。
・そろそろ同じ会社の人とだけ話していると閉塞感を感じる頃かもしれません。そんな時は、社外の人と交流することをお勧めしたいです。でも、交流するにも自分に人に話せる実績なんて…と思われる方もいるかもしれませんが、そんなことはないと思います。おそらく、多くの人は、本で学べる知識を話したいというわけではなく、その人の経験したことそのものを聴きたいという方が多い印象で、経験値が少ないのであれば、背伸びせずに等身大の経験を話すことで十分と思います。むしろ、それこそが求められていることと思います。積極的に手を上げていくのはおすすめです。いろいろ変わります。*13。
8.ハイキュー‼(第1期:2014年、第2期:2015年‐2016、第3期:2016年、第4期:2020年)
・スポーツアニメで熱狂したいならこれだ!
・幼き頃に地元の宮城県立烏野高校にて「小さな巨人」と呼ばれるエースに憧れを抱きバレーを始めた日向翔陽。小柄な身長のハンデにもめげず、同じ烏野高校に入学したセッターの影山飛雄たちチームメイトと一緒に全国制覇を目指す物語。
・本作品の熱いエピソードの一つは、ハイキュー‼ TO THE TOP 第20話「頭」での北伸介の名台詞でしょう。春高バレーの2回戦、烏野高校の対戦相手はIH準優勝である稲荷崎高校。稲荷崎高校の主将である北伸介は、飛びぬけた実力はなく、また、レギュラーでもないものの、「当たり前」を「当たり前に」こなすことに長けた選手。そんな彼の心に残る名言は、
結果より過程が大事と大人が言うて、子供はイマイチ納得せん。でも、俺は大人に大賛成や。俺を構築すんのは、毎日の行動であって、結果は副産物に過ぎん。
というものでしょう。
・ここまで来たら「結果」だけではなく「過程」にも着眼した仕事を意識していきましょう。法的な観点から見れば、デュープロセスや経営判断原則など、「過程」が重要な概念は多々見られます。企業法務の現場に落とし込むと、事業部門としては「数字という結果」に着眼することが多く、「過程」に目がいかないことはどうしても多いというのが肌感覚ではあります。そんなとき、一歩離れたところから*14、「過程」に着眼する冷静さも常に心のどこかにもっていくのもよいかもしれません。
9.ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない(2018年‐2019年)
・杜王町へ行こう!
・ジョジョの奇妙な冒険第4部は、主人公東方仗助や空条承太郎を中心に、日常に潜む殺人鬼である吉良吉影を追うストーリー。岸部露伴等の脇を固めるキャラも魅力的。
・本作品の印象に残る回といえば、第10話「イタリア料理を食べに行こう」でしょう。先に挙げたラスボスとなる吉良吉影を追うストーリーとは離れて、杜王町のイタリアンレストラン「トラサルディー」内での健康的な食事が描かれる。トニオさんすごい。
・長く同じ会社にいると、そろそろ、当初に想定していたのとは異なるビジネスモデルの事業が出現してくるかもしれない。例えば、To Bの会社なのに、To Cの事業を営み始めるかもしれない。気を付けることが多いです。もちろん、法務担当者の立場から見ても取り扱う法令が異なってきますし、新たに専門家を探さなければならないかもしれません。また、少し視野を広げれば、ビジネスサイドの「リスク感覚」にズレが生じている可能性もあります*15。そんな時は、冷静になって何が変わるのかを見つめなおすことが必要になりそうです。
10.アイの歌声を聴かせて(2021年)
・2021年の劇場アニメでは屈指の名作
・大企業星間エレクトロニクスによる実験都市である景部市において、主人公のトウマたちの通う高校へ転校してきたポンコツAIのシオンによる青春群像劇。「アイ」には「愛」「AI」「I(=私)」の三つの意味がかかってます。
・本作品は何といっても、少し先の未来で実際にありそうなスマートシティを舞台にしているのが特徴だと思います。AIを搭載したロボットが現代の延長線上に溶け込んでいるし、企業の様子も日本の大企業の少し先の姿みたいなところをよく突いています。
・今や、どんな企業にいようとも、事業とテクノロジーとは切っても切り離せないものになってきていると思います。それは、事業理解が必須となる法務業務にも影響を与えてくるのは当然のことです。これまで法務業務の基礎やビジネスの理解も身に着け、外部の人的なつながりも作ってきたのであれば、そろそろ未来に何が起きるのかを想像してみても良いかもしれません。そういったときにはアニメ作品は非常に役立ちます。わかりにくいテクノロジーをうまく表現してくれます。もしかしたら、自社の事業理解にも役立つ時がくるかもしれません*16。
以上、皆さんも良きアニメライフをお過ごしください。
私は100選到達までやめません!
次は、アーリー(@neonfumi)さんです!*17よろしくお願いします。
*1:
*2:生存報告。
*3:経営法友会 | ブックナビゲーション〔第1回〕本とのつきあい方と企業法務ガイド本
*4:タイトルも完全に拝借した。
*5:
● 2019年 #裏LegalAC
● 2020年 #LegalAC
● 2021年 #LegalAC
*6:7年くらい。
*7:この観点で行くと、SNSとの付き合い方についても自分なりのスタンスを身に着けた方が良いと思います。書籍購入という観点で言えば、SNSの法務界隈を見ているとどう考えても家の床が抜けるであろう書籍を購入している人もままに見られますが、そことの比較で焦ることなく「自分に必要な書籍を買う」というスタンスが重要かと思います。特に、最初のうちは太い幹を作るイメージ(厚い本や難しい本という意味ではない。)で書籍を選んでいくのが良いと思います。要するに、「基礎を固めるという切り口」を持って書籍を購入することが大事と思います。
*8:私の属性はいわゆる有資格者というものでありますが、同じように組織で働いたことのない人にとっては、組織というものを目の当たりにしてスタンスを考えなければいけない時期が必ず来ると思います。おそらくですが想像以上にしがらみもありますし、人というのはいろいろな考えを持っているものです。そのタイミングで、法律家としての専門的な知識について学ぶだけで良いのか、それ以外の知識(会計や税務とかそういう意味だけではない)を学ぶ必要があるのか、どうするのかを個々人で考えていくのだと思います。
*9:このOJTというのもくせ者で、単なる赤ペン先生的な指導を超えて、そこから抽象的なセオリーを言語化して議論してくれるような環境に出会えるかどうかは完全なる運だと思います。しかも、最初に入って受けた指導というのを「絶対的なもの」と考えてしまいがちなので、そこで視野を狭めた結果、数年後にあのときにもっとこうしておけば…とならないように注意していく必要はあると思います。後悔しない、が大事かと思います。
*10:これって結構あるんですよね。自分に自信がついたな!と感じても、冷静に見ると、実際は先輩や上司におんぶにだっこで、人間関係の根回しや組織のしきたりなんかは先輩や上司に頼りっきりであった。そして、その先輩や上司がいなくなると、同じように仕事を回せなくなってしまう自分の存在に気づく。なので、日頃から、今の仕事で自分が担っている役割は何で、担っていない役割は何かを冷静に見つめるのが良いと思います。
*11:ここも怖いところで、グレーな領域に関してYesという言質を取りに来ているパターンもあれば、完全にクロだとわかっていながらYesと言わせに来ているパターンもあるところです。こういう場面では、慣れない間は即座に上司に相談するなど、質問者に良い様に使われない対応を行っていくことも必要ですし、また、自分の身を守っていくことも必要です。平時では優しい組織や人も、非常時には態度が変わるというのはよくあることです。自分の身は自分で守りましょう。
*12:例えば、若手指導の場面でもこういった視点は役に立つと思ってます。よく若手にバランスよく経験させるという観点で行くと、契約法務や機関法務といった法務業務の切り口からローテーションという発想や事業ごとのローテーションという発想は聞きますが、自社事業のすべてのプロセスを把握できる業務の関わり方をしているかという視座からも若手の業務状況を見るというのは、事業を見る目を養うという観点からは有益だと考えております。
*13:個人的な話をしますと、3年目くらいから、弁護士会、組織内弁護士協会、経営法友会、業界団体、研究会、BLJの懇親会、SNS等を通して、いろいろな方々に会ってきたように思います。当初は、自分のバックグラウンドがいわゆる有資格者であることからか、法律的な側面にばかり目がいき、それのみを「専門性」だと考えていたのは間違いありません。ですが、上記のような場所を通して、様々なバックグラウンドを持つ方々と会ってきたことにより、徐々に自分の考え方が変化していったように思います。具体的に言えば、仕事への向き合い方が確実に変わりました。その他、Twitterでいろいろと見ていると、最初は刺々しいつぶやきしかしていなかった方も、いろいろなバックグラウンドを持つ人と交流することで、仕事に対して幅のあるつぶやきをするようになったと他人の変化を感じることも多々あります。臆せずにアウトプットしていくことの重要性を感じます。
*14:「事業に寄り添う」という言葉を聞くこともままにありますが、この言葉の是非は置いておいたとしても、「事業のことを誠実に考えること」と「一歩離れた立場から事業を眺めること」は矛盾することなく両立する概念だと思います。固い組織論の話をしてしまえば、職務分掌でコーポレート部門に位置づけられるというのはどういうことか(これは「法務の役割」論と混同して議論されることもままにありますが、分けて考えるべき事項と思います)、について考える必要があるということと思います。また、「誰のために」仕事をするのか、というのも同時に問題となってきます。よく「組織内クライアント」という言葉を聞きますが、これは本当に適切な表現でしょうか。どこを見て仕事をすべきでしょうか。市場でしょうか。会社でしょうか。取締役でしょうか。株主でしょうか。事業部でしょうか。上司でしょうか。自分自身でしょうか。難しいですね。
*15:例えば、それまでTo Bのルート営業中心であった会社が、突如、To Cの消費者に関わる事業を始めることになれば、客観的にはリスクは変わってきますが、主観的に見てビジネスサイドにおいてその感覚の「ズレ」に気付かないことはままにあるように感じます。
*16:個人的には、「読む」「見る」ということは、「表現する」「言語化する」に繋がるモノだと思っております。この観点で周囲を見ていると、リアルでもSNSでも読書のジャンルが専門書に偏っている印象を受けることが多いです。専門書と比較して、小説やアニメの特徴といえば、リアルでは中々口にされない感情や考え方というものがきっちりと言語化されて他人にぶつける場面が描かれている、ということだと思っております。事実認定における経験則もそうですし、想像と創造の基礎力もそうですし、こういった小説やアニメから得られるものは、実は回りまわって仕事に役立っているというのが個人の実感です。自分自身の言語化基礎力は、小説やアニメによって養われていると思っております。ネタではなく。
*17:黄色い人。