普通の法務の現場録

企業法務人の管理人が、「普通の法務の現場目線」という切り口で、現場の暗黙知を言語化しようと試みているブログです。

【法務】一法務担当者の私の役割の変化に伴う「変わること」の怖さとその先へ

 こんちにちは。ちくわと申します。

 本記事は、#裏LegalAC 2023の記事として書きました*1

 私は法務担当歴9年目の中堅法務担当者ですが、年次の上昇や組織の変化に伴い、最近、私に求められる「役割」の変化を感じています。そういった中で、「変わること」の怖さを感じることもありました。

 そこで、改めて今年の自分にあった変化をまとめてみたいと思います。

 

1.求められる「役割」の変化と怖さ

 法務担当者としてのキャリアを歩み始めた当初から2、3年前まで、自部門における自身の年次は、一番下付近にいることが多かったです。そのため、自身の案件をこなすことに注力することも多く、どうすれば目の前の案件に対してより深くかかわり、より良いアウトプットを出せるかということに注力してきたように思います。

 ですが、ここ2年ほどで、自身の状況の変化や組織体制の変化など、いろいろな諸事情が重なり、一気に、私の組織における年次が上の方から数えた方が早い状態になりました。

 当然ですが、このような変化に伴い、私に求められるものも変わってきます。特に、法務内のメンバー複数でチームを組んで案件対応に当たる際には、自身が上の年次になってくることから、下の年次のメンバーが主体性を持って関与できるようにいろいろと考える必要もでてきました。例えば、事業部門や弁護士との窓口は自分ではなく、下の年次のメンバーに任せるなどです。

 そうすると、急に感じたことですが、下の年次のメンバーに任せることで、これまでの自分自身の価値観、すなわち「目の前の案件に対してより深くかかわり、より良いアウトプットを出せるか」といったものとの関係で、急に、積み上げてみたものを失う怖さというものを感じました。

 これまでであれば自分が窓口になって作ってきた事業部門とのネットワークについても、下の年次のメンバーに任せることで、急激に失われていくような感覚にも襲われました。また、この案件であれば私みたいなものも失われていくような感覚にも襲われました。

 こういったふと現れてきた「怖さ」を感じたのが、今年の私です。

  

2.マインドチェンジのきっかけ

 こういった怖さを受け入れるか、逃げるか、悩んだところもありましたが、私にとっての解決になったのは、たまたまあった自分自身のライフストーリーを振り返る機会です。

 私自身、社会に出る際には「法律専門家としての自分」をありたい姿として描いておりました。一方で、現在は「組織にいる自分」ということで、その2つの姿をどう考えていけば良いのかに悩んでいたところはあります。

 ですが、今年、たまたま、数人のチームで新規事業を提案する研修に1年弱従事することができました。マーケットの変化の分析、有識者へのヒアリング、スタートアップ企業への訪問など、これまでと異なる視点からがっつりといろいろと経験できました。

 これが自分にとっては、大きなマインドチェンジのきっかけでした。これまでは口では事業を理解すると言っていたものの、ほんとに口だけだったのだなぁと気づかされる機会でした。自分自身、法務の枠に悪い意味で閉じ込めていたなぁと。

 そうこうして、私自身の認識にも変化があったことに気づきました。具体的には、年次を経るにつれて、自分自身の認識が、社内にいる弁護士⇒ビジネスを理解しようとする法務パーソン⇒法務を強みとするビジネスパーソン、というものへと変化してきたことです。

 今となっては、最初に見た「怖さ」や自分自身の姿への「悩み」も、「変わること」への怖さがあったのだなぁと思います。

 

3.乗り越えたその先へ

 改めてですが、私自身が仕事でワクワク感を感じる瞬間は、事実を観察・分析する瞬間です。

 今思うと、私自身がほんとになりたかった職業は「マーケター」でした。法律家ではなかった苦笑おそらく、昔の私は、「街弁」にこの要素を見て憧れたのだと思います。

 今は、せっかくいろいろと気づきを得たので、殻に閉じこもることなくチャレンジしていきたいと考えてます。ビジネスのことをもっと知りたい。そのため、中小企業診断士の取得や国内MBAへのチャレンジしてみようかと思っています*2

 せっかくなので、これまで身に着けてきた法務という専門性×自分のほんとにやりたかったことの組み合わせで、自分なりの法務像を創り上げられればと感じています*3

 今年の私が得た気づきでした。

 

 それでは、明日はにんさんです。

 

 では!

*1:本当は「法務に役立つアニメシリーズ」を書く予定でしたが、忙しすぎて書く暇がありませんでした。なので、年末に改めて書く予定です。

【ご参考】

chikuwa-houmu.hatenablog.com

*2:その他、副あれもあれされたのでいろいろとあれしたいところです。

*3:このようなメンタルになれたのは、ラブライブ!サンシャイン!!の寄与するところが多いです。ラブライブ!は法務に役立つことを再認識しました。