普通の法務の現場録

企業法務人の管理人が、「普通の法務の現場目線」という切り口で、現場の暗黙知を言語化しようと試みているブログです。

【法務】法務担当の私がチームリーダー的なのをやって不完全燃焼だった点の振り返り

 数年前、数名のチームのチームリーダーをやることになりました*1。その際、いろいろと試行錯誤したものの、不完全燃焼というか、想定通りの結果を達成することはできませんでした。今になって考えたときに、どういう点がダメだったのかについて分析できる気がするので、言語化してみたいと思います。

 

1.不完全燃焼原因

 前提としては、あるリスクを担当するチームにおいて、数人のチームのリーダーとなった際の振り返りになります。

 担当としてそれまでもいろいろと課題を感じながら仕事をしてきたので、折角のチームリーダーということであれば、自分なりにいろいろと考えて、チームをうまく運営しようと試みたことは覚えています。

 まず、自分の中で考えたのは、チームの「軸」をきっちり定めるということでした。それまで担当として業務を行ってきましたが、チームとしてどうあるべきかという点はすっぽりと抜け落ちておりましたし、業務の属人化というどこの組織でもある課題かと思いますので、これを自分なりに解決しようと考えたことによります。

 その際は、3つの軸を設定したことを覚えています。具体的には、チーム自体の役割軸、他拠点との役割分担軸、個々のメンバーの役割軸を設定しました。

 ここまでは良かったと思うのですが、当時の私が実力不足だったなと感じるのは、この時点で満足してしまい、設定した軸とその意図の共有、そして、設定した軸と具体的なチームの活動との繋がりをうまく設計できなかったという点です。

 まず、前者の設定した軸とその意図の共有という点では、個々のメンバーの役割軸については容易に伝わったと思いますが、チーム自体の役割軸と他拠点との役割分担軸はその意図を伝えきることができませんでした。結果、全体最適を図る際の肝となる2つの軸が抜け落ち、個別最適のみが追求される形になってしまったように思います。リスクベースの観点から行くと、効率性が削げ落ち、濃淡管理ができないということかと思います。

 また、設定した3つの軸について、管理可能なレベルの「変数」をしっかりと設定することを怠ったのもまずかったなと思います。結果、自分のやりたいことはあるものの、具体的に何をして、何を見れば良いのか、といったアクションのレベルが全く見えていなかった状況だったように思います。

 

2.改善点

 似たような職務を担うことになった場合の改善点としては、以下のようなところかなとは考えます。

 まずは、自分がチームを通してやりたいことについて、管理の切り口から深堀して、管理可能な「変数」を特定することは忘れないようにしたいところです。かつ、この「変数」をきっちりとチーム内に「伝える」というのは意識しなければとは感じます。どうしても法務パーソンの場合、言葉で資料を作成するというのは得意な人も多いですが、伝えるという切り口で考えると言葉だけでなく、図や表といったより直感的にわかりやすいツールをうまくつかっていかないととは感じます。この点は意識して、日々、観察して「変数」を見つけるスキル、図や表を用いて「伝える」スキルを身に着けていきたいところです。

 また、リーダーシップという観点で他人に影響を与えるスキルも身に着けていかねばならないと感じます。法的な知識という分野に閉じこもっていると、中々、リーダーシップを発揮して他人を巻き込んでいくことは不得手になってきますが、状況に応じた複数のリーダーシップスタイルをきっちりと身に着けていきたいと考えるところです。自分の考えを他人に伝えてチームで実施するというのは、非常に難しいことだとわかりましたので、自分なりのリーダーシップを獲得していきたいところです。

 

 法的な専門職種という枠に籠らず、ビジネスパーソンとしての普遍的なスキルをしっかりと身に着けていきたいと改めて感じる振り返りでした。

*1:現在は、組織変更や異動等の様々な事情でやっていない。