【法務】法務担当の私の契約審査の際の「頭の使い方」を言語化してみる
契約審査と言えば、法務担当なら誰もがやっているところだと思います。
ですが、その際の「頭の使い方」を他人に教えるとなると意外と難しいと気づきました。
ロジックで考えるんじゃなくて、ワッとイメージすればモワッとリスクぽいものが見えるから、それをグッと掴んで言語化して分析する感じでやってみてと若いのに言ったら、え?て言われた
— ちくわ✌︎('ω'✌︎ ) (@gigakame) 2023年7月11日
おそらくこの表現では、中々伝わらないのだなと気づきました。
ですので、この「ワッとイメージすればモワッとリスクぽいものが見えるから、それをグッと掴んで言語化して分析する感じ」を言語化してみたいと思います。
契約審査というと、前提事実と知識をベースに、書かれている文言をロジカルに分析するという頭の使い方が想定されるように思います。ひな形との差分をとるといった工程についてもこのような頭の使い方に含まれる気がします。
こちらについては、いろいろな書籍などでも書かれていることですし、冒頭の部分とは直接関係がないので、詳細な言語化は割愛します。
それでは、冒頭の擬音交じりの頭の使い方はどういう感じかについて、自分の仕事の際の頭の中を言語化してみたいと思います。
私のイメージとしては、考える際の視点の主語をカッコ書きとし、そのカッコ書きの中にいろいろなものを入れていくという感じで、思考を発散させるというものです。
例えば、調達先にある仕様をしていしてモノを作ってもらい、その上でそのモノを買うという契約を想定すると、次のように視点の主語を入れ替えています。
大前提として、言葉ではなく、案件が想定される場所、具体例でいうと、調達先の工場にてそのモノが作られていく場面はどんな風景かを「画像」的にイメージでしてます。
その上で、まずは、主語を「私は」として、「私が」その風景を眺めることで「リスクらしきものがないかを観察する」ことを行います。例えば、あそこに置いてあるモノがちゃんと届かなかったら、今回の調達予定のモノが納期通りに届かないんじゃないか…とかです。
次に、主語を「その風景の中にいる人は」にして、「その風景の中にいる人は」どう考えるかをイメージします。例えば、このモノを客先の現場に持っていく予定だけど、納期厳しいから性能がきっちり出せるかどうかわからんのだよな…とかです。
最後に、主語を「この案件を遂行するビジネスサイドの人は」にして、「この案件を遂行するビジネスサイドの人は」この風景を見てどのように考えるかをイメージします。あそこの現場へモノを持ってくる業者については心配かもしれんけど、そこまで全体に影響を与える部分には絡んでないよな…とかです。
これらを通して、ん?と感じた個所については、頭の中で観察したものをそのまま言語化してみます。その時点でリスクらしきものが見えれば、それへの対応策を考えます。言語化があっているかわからないなどということがあれば、それをそのまま仮説としてビジネスサイドの担当者にぶつけてみて意見を聞いてみます。そんな感じで、頭の中のイメージと言葉を繋いでいきます。
これは「ある一時点のある場所」をイメージしたものですが、案件によっては「別の時点」や「別の場所」に風景を飛ばすことで別の状況をイメージして観察します。
こんな感じでいろいろと思考を振ったりします。
もちろん全案件ここまでやりませんが、必要に応じて、頭の使い方を意識して切り替えることはしてます。自分のロジックだけでは見えないものがあるというのはその通りだと思うので、頭の中で主語をいろいろと振ってみるというのが、自分の中ではしっくりきています。
もっといろいろとイメージして!と昔は言われ続けて、いったいどういうことやねん…と思ってましたが、試行錯誤しながら上記のような形にはなってきています。
以上