【法務】ビジネス法務2020年6月号 感想
ビジネス法務2020年6月号を読みました。
● 法務パーソンに求められる「周辺学」とは?(小林洋光、前掲12頁)
本号の特集は、企業法務の「周辺学」というものでした。
企業法務というと、もちろん「法律」を扱うことがメインとなるわけですが、あくまで企業活動を対象にしたものである以上、法律以外の視点で企業活動を見ることも必要になってくるのでしょう。
そういった中で、本記事で、
同様に、あらゆる事象を予測するためには、取引契約を机上で眺めるばかりではなく、さまざまな現場に足を運んで数多くの事象を体験する必要がある。この体験こそが、契約書レビューにあたって机上の空論を回避し、実践的対応を可能とする代替案提案といった引き出しの多さにつながる。多くの引き出しから取引の流れや課題点を整理することで、担当者も気づかなかった別の事象がみえてくることがある。(前掲16頁)
というのは、なるほどと思いました。
前半部分の「現場」に足を運ぶというのは様々な制約事情から難しいこともあるでしょうが、後半部分の整理に伴い担当者が気づかなかった点が見えてくることがあるというのは、「役割分担」という見地から大事な視点かと感じました。
目の前のビジネスに関しては、どうしても事業部門の方が知識はあるでしょうが、それを分析するための「視点」という観点からすれば、法務部門の持つ「法的視点」というのは、事業部門に新たな視点を与えることができるように思います。そうだとすれば、事業部門に何ができて何ができないのか、法務部門に何ができて何ができないのかをしっかりと考えていくことが大事なように思いました。
が、その前提として、事業部の言葉を理解するのは大事なわけで、そのために「周辺知識」というものがあるんでしょうね。自分一人でアウトプットを出すための知識だけではなく、目の前の事情を理解するための知識、自分の専門性を活かすために必要な知識など、「知識」の仕入れ方にはいろいろなものがあると学びました。
以上