【法務】一法務担当者なりにここ数年の経験を振り返ってみた(後編)
こういった時期なので、いろいろと振り返っておこうと考えた記事の続きです。
中編はコチラ。
● 変化に向き合ってみた
そんなこんなで、日々、事業部門からの相談に対し対応していたのですが、あるときふと思いました。事業部門からの相談を受ける以外に、自分自身で何かを「企画」することはできないのかと。
そこで、いろいろと考えてみたのですが、その一つとして、「変化」に向き合ってみることにしました*1。それじゃあ、「変化」って何があるのかともう一度考えてみたのですが、正直、最初はよくわかりませんでした。
なので、こういうときは、原理原則に戻るかと思い、事業と法的リスクに向き合ったことを思い出し、とりあえず、事業の変化と法令の変化の2つの変化に向き合ってみることにしました。
まず、事業の変化ですが、いろいろな媒体からある程度の一般的な情報を仕入れることはできるものの、本当のナマの情報を仕入れることは厳しいと思い、ここは、事業部門の方に対し逐一聴くという方法をとることにしました。どこまで実践できているかはあれですがね・・・。
次に法令の変化についてですが、これも、まずは自分自身が関わる法令の変化にアンテナを張るところから始めてみることにしました。役所のHP、雑誌、ニュースレター等ですが、これが中々大変と感じる次第です。
そんなこんなで、「変化」に向き合っていると、いかに「情報」というものが大事なモノか何となくですがわかってくるようになりました。そうすると、「情報」を起点に、収集・整理・分析・共有といった様々なことができると気づきました*2。
さらには、「情報」に意識が向くようになったことで、もっと能動的にできることもあるのではないかと考えるようになってきました。
例えば、よくある言説で、「法務部門はより早い段階から関与していくべきである」というものがあると思います。これ自体はそりゃそうだと思います。でも、実際にやるにはどうしたら良いんだというのが中々わからない。日々信頼関係を築くというのもよく聞きますが、仕事である以上、信頼関係は当たり前ですし、何の答えにもなっていないと思ってしまいました。
なので、どういった「情報」を提供することで、早めに関与させてもらえるのかという視点を持ってみることにしました。営業段階であれば与信管理等を絡めた取引先の情報があることが重要でしょうし、企画段階であれば独禁法等を絡めたスキーム策定に関わる情報が必要になってくるかもしれません、はたまた開発段階であればよりジェネラルな法的リスクに関する情報が必要かもしれません。いろいろな場面で、こういった「情報」を能動的に提供してみるというのも考えてみたりしました。
ここら辺にきて、能動的にいろいろできることあるじゃあないか・・・と思えるようになってきました。いろいろアイデアも出せるなと。
● 終わりに
事業、法的リスク、変化というものに向き合うようになって、少しずつですが、自身の業務をやっていてやりがいというものを感じるようになってきたと思います。まだまだ、向き合うべき「軸」はたくさんあるのでしょうけどね・・・。
こういう不確実性の増している時代で、法務業務に関してもいろいろと語られることが多いご時世ですが、一歩一歩、前向きに進めればと思います。そして、数年後にまた振り返ることができればと思います。
以上